バランス

「整体」というと、ゆがみを整えるというイメージがある。


ヨガでも「ゆがみをそろえるように」と学んだ。


実際にやってみて効果的なことを検証すると、必ずしもそういう面ばかりではない。


もちろん、ゆがみが減っていく方が望ましいし、ゆがみによって引き起こされている症状もある。


だからといって、見た目をそろえたからいいか、というとそうでもない。


歪んだ体だって、その時点でそれなりのバランスが取れているのだ。


「ゆがみを取る」という発想は、他者からの目線である。


本人が、よりよい状態の新しいバランスに乗り換えていく、というのが望ましい。


全てを一度にいい状態に変えるのは無理だ。だから、一部だけいい状態を作る。それは今までの体からすれば、よりこわばりと弾力のギャップが大きくなった状態。見方によれば「より歪んだ状態」とも言える。


しかし、そのギャップが生まれると「だったら、次はこうしたい」という「次の一手」が欲求として体内に生まれる。その繰り返しで体は変わっていく。


ゆがみ(の見た目)をそろえればいい、というのは頭が考えた幻想だ。