バランス

安定している中で、変化(成長・向上・上達)していくのは難しい。


だって、安定しているんだから。


人は、電車の中で予想以上のゆれがくると、瞬時に倒れまいとする。私は、私の人生の中で、電車の中でバランスを崩した人は見たことがあるが、本気でこけた人は見たことがない。


電車のゆれ=つまり不安定が来ると、誰もが瞬時に変化してバランスを取っているのである。


ということは、練習というのは安定した環境で集中して繰り返す方法もあるけれど、不安定な環境で、突然くずれたバランスに対応せざるをえないようなことを繰り返す方が、身体が常に使っている生理的な反射に合っていると言える。


「こんなんじゃ練習にならないよ」というような状況が、実は「対応力を引き出す」というとてもいい練習になっているということである。


頭が考える「これがいい」と身体から見る『これがいい』は、大きく隔たっていることが多い。