うごめきがいろいろ/ボランティア記録18回

昨晩ひーさんから電話があって、5月5日の渡波の明神社のお祭りに、整体チームで青空整体ができないかという連絡。


那智勝浦を縦横無尽に走り回って大活躍のひーさんも、お祭りをはさんでしばらくは石巻に絆ベース(オープンジャパン)での活動。ただし6月にま那智勝浦に戻ります。梅雨の雨に備えてね。


もうあのお祭りから一年もたつんだ。


1日からはK藤さんも10日ほど石巻入りするから、あのお祭りにも参加するんだろうなあ。


そういえば、一昨日は為さんからメールがあって、「報道などまったくされなかったけれども、あれだけ甚大な被害だったからまだやらなければならないことがあるのではないか、このGWは熊野に行ってボランティアがしたい!」という学生の受け入れについての問い合わせもありました。


今日は、昨年何度か電話でやりとりしたディスクゴルフのチャリさんから電話があって、今石巻に来ているけれども、活動できる場所はありませんかの問い合わせ。お祭りの話とサンライスの話をしてつっくんに後をお任せする。


週末も週明けも、有人さんがらみで、石巻の仲間たちとがっつり旧交を暖めたし。


徐々に冷え込みかけていたのような周りの被災地支援の動きが、また活発になってきた。


那智勝浦に9月の混乱期にかけつけてくれた北海道のがってんさんは、カヌーガイド。このGWのツアーは熊野川でのツアーにして明日からスタートの先駆けてすでに和歌山入り。お帰りなさい。昨年はありがとうございました。



整体の調子がいい。特に硬くこわばってなかなかゆるまなかった人の背中が、一週間たって先週よりも柔らかいぞ、という人がちらほら出てきた。



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18回  

4月5日 増えるリラクゼーションチームメンバー



 宿舎の朝のミーティングに映画・ガイアシンフォニーのプロデューサーの龍村ゆかりさんが「チームグランマ」という一隊を率いて参加、合流される。このあたりになると、急激に参加メンバーが増えて来る。訪問先が3方面、4方面と多くなってきているので、メンバーの顔と名前が一致しないという事態になってきた。


 その後、長期活躍する「みほちゃん」「ひろやさん」「リッキー田村さん」などはこのころの出会いだった。


 この日は昨日に引き続き飯野川中学校へ。昨日の実績で「直接声をかけて自由に活動してください」になる。足つぼ森光さんや、心理療法士掛井さん、さらにはアロマができますという人も加わってのチームだ。アメリカから緊急帰国の渡瀬さんとは、このころからずっと一緒に活動するようになる。


 終了後、女川方面を見て帰ろうと提案する。北上川の西岸を下る。堤防が崩壊したところでは、ほぼ破壊された集落が、流入した水の中に浮かんでいる。こういう状況であれば、ヘリで救助されるのを待つしかなかったというのが理解できる。


 ところどころ堤防上の道路が寸断。川原側に鉄板を敷いて重機やダンプが通れるようにした仮設道路が通っている。すぐそこに水面がある。波もないただの水面である。だけど、無性に怖かった。一刻も早く波打ち際から離れたかった。


 河口から右に山側に分岐する道をたどると、女川よりも一つ北側の半島、雄勝地区に出る。山道を上がると水没した村落部が見える。くねくねと上がるとトンネルに入る。トンネルに入ると下りの一直線になる。このトンネルが雄勝地区の中心部の「街のあったところ」に続く道だ。


 かなり長いトンネルなので、通常は点灯されていると思われるが、今はまったく明かりはない。闇の中を自分の車のヘッドライトだけが光る。延々闇に突っ込んで行く。ここも初めて走ると気分がおかしくなる。


 トンネルを出る。はっきりと下りと分かる勾配が続く。道路脇の谷間ががれきで埋まっている。にもかかわらず車は下り続ける。その下った分だけどれほど高い位置まで波が駆け上がったかが分かってくる。少しずつ家屋が増えていく。ただし、津波が駆け上がったとおぼしきところにはまともに立っている家屋はない。そして、下りきると、一面のがれきの街になる。学校とおぼしきところも、商店も、家も。あの学校の屋上にいたとしても助かったんだろうか…。ひとっこ一人いない。


 時間の都合で帰路に立ち寄ることにしたので仕方がないのだが、夕闇の中のがれきの街は相当に強烈である。せっかくだから?車を停めて外に出る。


 心理療法士の掛井さんが、言う。


 「僕は、けっこう自分のことをタフだと思ってました。まわりの人がきついきついと言っていても、そうだねなんて合わせていても、実はけっこう平気だったんです。でもここはやばいです。これはやばいです。やばいです。やばいです」


 心のケアメンバーの心が折れた瞬間である。でもみんな実はそうなのである。


 都会で「こんなことができるはずだ」と思って現地入りする。すると自分の予想していたところとは災害の規模がケタが違うことに気づいてショックを受ける。そして、用意してきたものは、そのままでは通用しないと気づく。


 そこで本当に何が必要でどうすれば自分の持っている技術を使えるかを考え直し、とらえ直す。そうやって二日三日と活動していると、現場でうまくいかなくてもめげない。できることを考える。できる方法を模索する。すると顔つきも立ち振る舞いも全然変わってくる。本当に頼もしい人になっていく。


 テラルネッサンスの鬼丸さんと連絡を取る。元々今回参加はテラさんの東北支援の一環である。交通費は全額テラさん持ちである。(これだけでも私は相当恵まれたボランティアである)そして、テラルネッサンスは団体としては陸前高田の支援を決めている。


 過去2回の支援物資を送っていて、第1弾は茨城県。第2弾が石巻のラジオ支援。第3弾がこの6日に陸前高田に着くという。


 石巻中心に活動してきたが、素敵な頼もしい仲間がたくさん増えて、一時的に石巻を空けても何の心配もない状態だ。そこで、テラルネッサンスさんがタイアップしている現地立ち上げNPOの「みんつな」さんのメンバーとも会っておこう、陸前高田や他の岩手県の被災地域もこの目で見てみようということで、明日から二日間は岩手視察兼活動だ。