無意識を意識する
道場で熱意あふれる同士諸君と繰り返し繰り返し確かめる限り、スポーツ・競技のような動作は、意識して意識して作ったフォームよりも、連動性の高い質のいい無意識動作を引き出した方が断然レベルが高い。
意識して作ったものは「ニセモノ」という感じさえする。
意識して意識して身に付くものもあるけれど、そこには結構無理を内包していて、結果は出ることもあるけれども身体はボロボロというようなケースが多いようである。
超一流の世界は知らないけれども、市井のコーチ業、市井の整体師レベルであれば、無意識反射をベースに自然に出てきたパフォーマンスの方がレベルが高いし、頻繁に上達の手応えを感じる。
という具合に、体や動きに関して、「意識してやらない方がいい」という現象を日々確認していくと、メンタル面でも同様な現象なのではないかと思われてくる。
「信じ続け、願い続ければいつかはかなう」というせりふは良く聞くけれど、意識的な練習を徹底して身体を損ねていく方向と何かだぶる。
オリンピックメダリストの「栄光をつかむまで」なんてドキュメンタリーを観ると感動する私は確かにいるが、オリンピックに出られなかった悲惨な選手やその家族、という物語は、その何十倍かあるだろう。
下手に「あの栄冠が一生の夢」なんて思わない方がいいのかもしれない。
潜在意識で願望実現なんていうものの本にも、いろいろなアプローチがある。カードにして一日何度も読み返せなんていう「無意識(潜在意識)を味方にするために、徹底的に意識的」という文脈で語られているものも多い。
動きの改善に意識がじゃまなように、潜在意識を味方につけるのにも意識をなるたけ使わない方がいいのではないか、という仮説を立てている。
潜在意識教育の必要性を説かれた野口整体の野口晴哉先生も実にあっさりしている。
「念じなさい。念じたら忘れなさい」
あるいは、
「ふと思い浮かべたことが作用する」
この程度である。日夜念じ続けなさいなどとは言わず、片時も目標を忘れるななどとは言われない。
意識しないで潜在意識に上手にアプローチする方法というのは、身体の訓練のようないろいろな具体的な方法というのが思いついているわけではない。
今日書いているのは、今日から意識がそこに向き始めましたという記録である。
話は少し変わって、今日、ふっと浮かんできたイメージというかアイデアがある。この「浮かんでくる」というあたりが大事なのではないかと感じる。
そのアイデアは、どんなに急いでも数年はかかる。本業とは関係のない子どものころの夢である。しかし、あれとあれをこう組み合わせればできるのではないか、ということがひらめいた。
しかしそうするためには、少なくともこの1年以内にあれを始めて、レベルアップし始めたら平行してあれを始める必要がある。
さらに、あれを手作りするための技術を持った方を探さないといけない。もちろん、それが理論的に可能なものかというのがわかる方があれば、○○力学に強い方のご助力もぜひ仰がないといけない。
でも、そもそもファーストステップのあれを始めるためには、なにとなにを、あれぐらいにしておく必要があり、家族のなにもなにしておく必要がある。
わー、鍵穴に合う鍵が手には入った感触だぜー。鍵のシリンダーがぐるっと回った感触だぜー。
なるほど、先の目標は利害損得・私利私欲と関係なく、世界中で自分ぐらいしか考えないような(でもたぶんほかにもいるような気もするけど)ばかばかしいものを置くといいわけだ。
なるほど。
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