いつまでも若く生きるには

 「いつまでも若く生きるには」

         野口晴哉



いつも新しきことを考え 創造的行動を保つこと
いつも息しずかに乱すこと無く
食べたくないものは決して食わぬこと
食べたくないときは決して食わぬこと
満腹したらそこで食うことをやめること
空腹の快感を開拓すること


出来るようになったら為すと 心がけるな
先ず為せ 而してできるようになる


大股にゆっくりと
いそぐな 駆けるな いつも悠々と
楽々悠々 スラスラ容易に いつも何事も


目が覚めたら直ぐ起きること
一日に三度 美しきことの空想に浸ること


  野口晴哉著 偶感集 206頁〜297頁より引用




野口整体創始者、伝説の名人、野口晴哉先生は豊富に著作を残されています。全生社で調べればすぐに分かります。偶感集は、詩のような形式でまとめられた一冊。


野口先生の著作のどれもがそうであるのですが、説明と納得という図式はなく、脳をパッと掴まれて、くりっと90度向きを変えられるような体感があります。


「空腹の快感を開拓すること」の一節など見事に一本取られた感じです。ハッとして、意識の向きが転換してしまいます。


偉大な思想家であったとも言える野口晴哉は、その背景に空理空論はなく、徹底してわが身とその指で確かめたことがその背景に膨大にあります。


戦後の物資のなかった時代、メチルアルコールの入った酒を知らずに飲んだ野口先生は、胃に穴があいてしまった。そのまま20日ばかり断食をして、周りに気づかれずに治してしまったそうです。


一日に三食食べなければというのは思い込みで、人類が三食食べられるようになってからの歴史の方がはるかに短いのです。


私も若い時は三食大盛りで食べてもたりなかったのですが、半世紀も生きると三食食べても美味しくない。美味しい回数を探していったら一番美味しいのは一日一食の時でした。週のうち二回ぐらいが一食なのですが、その日は午後からずっと晩ごはんが楽しみでなりません。空腹の快感というものは確かにありました。


面白いのは、一食となると胃袋が店を選びます。ほぼ決まった店にしか行きません。ほんとうに美味しいと感じるお店です。自然食というわけではないのですが、化学調味料を使わないお店だということをあとで知りました。


「目が覚めたらすぐに起きること」というのも、覚えのある人は思わず舌を出しそうな一節ですが、そこには別の意味もあります。


野口先生は別に二度寝の害を説かれています。二度寝三度寝を常習にしていると後頭部の下の方がたるんでつまめるようになるから分かる。これは私も施術の中で確かめましたから実感があります。ぶよぶよしている人はみなさん二度も三度も寝ていました。


寝るのは疲労している部分をゆるめていく行為ですが、二度寝をしていると、緩むを通り越してたるむ。こうなると、整体で整えても効果が持たない。だからせっかくの整体がもったいないことになります。


逆に考えれば、目が覚めた時にさっと起きれば身体は整う。


目が覚めたらすぐに起きる、という行為そのものが、生活を通しての整体なのですね。



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