南海トラフ地震の際、どう動くかお話し会議事録


南海トラフ地震の時、ボランティアとしてどう動くかを一度話してみますかの会


【仮称 防災ボーイズ 議事録】

※女性の参加歓迎。この日はたまたま男性だけでしたので…



※多少話の前後を入れ替えたり、付け加えたりしています。それらはすべて津田の文責で行いました。正確な発言よりもその場で受け取った話し手の趣旨が伝わるようにという感じでまとめました。


と とっぴーさん
た 武ちゃん
つ 津田
な 長野くん


と 南海トラフやったら、まず救援活動に行くいうより先にまず自分の地元やねー。自分と家族の安全を確保するのが一歩や。

つ うちは健康道場ですけど、最近は「健康食品より先に非常食」と言うてます。健康飲料よりも緊急飲料水が先なの!

と 自分の飯と水が大事や

つ ここ3週間ぐらい。道場の備蓄を始めて、初めてみてから危機感がわいてきますわ。用意するほど足りないもんが見えてくる感じです。

と 行政と話していて、社協とかボラセンとか頼っている場合じゃない。すぐに間に合うわけあらへん。只今ファンシーケース一個につめこんでます。α米も確保しよ思て、広島のメーカーに頼んで作ってもらったで。まず三日分やね。

た 専門家は一週間の食料備蓄を家庭でって言ってますよね。大阪にどんど来たら、まったく足りないですよ。防災関係の勉強会出たんですけどね。参加者に手を上げてくださいって。そういう防災の勉強会の参加者ですから普通よりは意識の高い人。それでも食料備蓄3日ぐらいはいますけど、7日間分備蓄していたのは僕だけでした。 

と 自分の備蓄をどこに置くかやね。地震で家が倒壊したらと考えると。

た 僕の家は半分は木造で確実に壊れる(笑)。残り半分は鉄骨なので最近そちらにものを移しました(笑)

つ トッピーさんは吹田で自宅の標高は津波は大丈夫じゃない?津波なら。

と 自宅は大丈夫。でも借りている事務所は低いよ。でもね、市役所はもっと低いねん(笑)

た おかんの家は住之江区。低い。しかも大和川のそば。おかんに言うてるんですわ。三日分の食料は用意しとってくれ。それは72時間は人命救助に不眠不休するから。で72時間過ぎたらおかんのところには必ず助けに行くから。それまでは屋根裏に上がって頑張ってくれ。


と 避難所の話ね。うちだとじいいちゃん、ばあちゃん介護状態。避難所は無理やなーと思ってるんです。

た 避難所は介護が必要な方はおれるものじゃないですね。あの環境。

と 寝袋はじいちゃん、ばあちゃんの分も用意してますが。

と 吹田市は公園のベンチが、ベンチを外せばかまどになるなんていうのを用意しているんですね。それでそれを使った防災訓練があったから見に行った。まず訓練に参加している主体が80歳ぐらいのじいちゃん。朝の10時から始めて、炊き出しが終ったらもう3時(笑)。ほんでね、その炊き出しの水は公園の水道使っているわけ。ちょっと待ってよ、その水道は本番では出ないでしょ。そんな訓練してどないすんねん(笑)

つ 実際にやってみることで、何が足りないかとか気づくきっかけになれば意味あるんちゃいますか?

と 水道のことを指摘したら、「そこまで想定してないわー」ずっこけ。

た 西成区ですが、防災井戸を作ってます。試験的に何か所か。鶴見橋中学とか。大空小学校に試験井戸を。ここの学校の防災意識がめっちゃ高いんですよ。抜き打ちで訓練して一分でグランドに集合します。すごいです。あそこも土地低いです。

と うちの地元の小学校マンモス校で1000名超えています。あの人数で何かあったらどないするんやろ。

つ 大川小学校のことを黒さんが書いていました。あそこは避難所になっていたから、大雨とか台風だったらそこに避難する場所になっていたらしい。だからあそこから逃げるという発想がなかったのでは。それがたくさんの生命が失われた原因の大きな一つでは。調査報告書の中のその部分を抜き出してブログに書いてはりました。避難して安全を確保するところと、避難生活をおくるところが一緒になっていると。


た 大阪の防災マップにも水没する地域にたくさん避難所があります。で、避難所にも一階が大丈夫な避難所、二階にいかないといけない避難所、三階以上に行ってくださいという避難所があります。

と 今日会ってきたマンション4階に住んでる友達が、安心していたけど、実際4階まで津波が来ていたからね、女川でも陸前高田でも。

た 防潮堤で安心してられない。防潮堤が壊れたら地域は水没してしまう。淀川区なんか全滅。ここも淀川区ですね。そうなったら水没。水門なんか閉める時間はないし。

と 淀川の堤防は土やからね。コンクリートじゃないからね。一か所切れたらどうなるんやろ。

と 昼間の大阪、地下街が怖いねー。大阪の人にもっと津波の怖さの映像でも見てもらった方がいいかと思うね。

と 自分らはまだ東北の惨状の現場を見ているから、けっこう危機意識があるけれども、それがない人はリアルにならない。こないだもね、牡鹿に三年通って、ずっとお付き合いしていた人と、3年目で初めて聞けたその日の話があったよ。

な 一世帯二世帯でなくって地域の全世帯が流される様を見た人の感じたものと比べたら、惨状を見たっていっても、やっぱり現地の人の感じはったものとは全然違うでしょうね。

つ 消防車とか消防団の車とかたくさん見たんですよね。海岸近くで。あちこちがへこんでいるの。この車で避難呼びかけとかしていた人は助かったんだろうか、助かっていてほしいなと。なんとも言えない気持ちになりました。

と 消防団なんて大阪市内にはないですしね。


た これも勉強会で聞いたんですけどね。消火栓はたくさんあるので、それを個人で使ってくださいって言ってました。だけど、鍵がかかっていますけどと防災担当の人に言ったら、「壊して使ってください。かなり頑丈ですけど」

つ 長いバールは用意していますが、この長さ(1メートル強)は絶対に必要と日本財団の黒さんが力説したと聞いて買いました。アイスバーンを割るのにもいいらしい。

と 津田さん、あとクリッパーも必要ですよ。チェーンとかが切れる巨大な鉄用のはさみです。

と タケちゃんの防災グッズコレクションの中でいいなと思ったのが【レスキューシート】(アルミの毛布)大きさ取らないし、濡れても大丈夫だし、

た 百均に売っています。

と ネックはうるさいだけ。カシャカシャ。

と これあんまり役にたたない大阪市ハザードマップ。住所がおおざっぱ。避難場所も水没する場所の中にある。避難ビルを書いてくれ。

つ 和歌山の防災課にも避難ビルリストあったんでもらってきました。でも数は足りないって。最近のマンションはオートロックでセキュリティが硬いから、とっさにぱぱっと上がっていけない。まだまだ全然足りなさそうでした。でも都会だったら絶対にビルは活用するべきです。目の前にビルがあって津波に飲まれるなんてぜったいあったらあかん。

と 屋上に上がる階段のところに鎖がかかって明けられないとかあるから、さきほっど言ったクリッパーは必須。オートロックのビルって停電の時は外から開かないんじゃない?どうなんだろう。

た エレベーターと同じで止まるんじゃないですか?

と やっぱりバールで割るしかないな(笑)。だから車にはバールを積むべし。このバールなら4回も叩けば入れる。これなら崩れかけの家の壁でも行ける!実際くずした!

な 側溝のふたもこれで開くのですね

と 江坂は昔湿地帯やったんですよ。天竺川があふれたら、吹田の消防本部は川の堤防の上の線よりも低いところにありますねー。津波が川を遡上してあふれたら、消防本部に水が流れ込むような地形なんですが、大丈夫でしょうか。へたしたら消防車はぷかぷか。そういうところがいっぱいありますよ大阪は。

つ 和歌山市も総合防災課のビルは下に消防署が入ったビルで標高は4〜5メートルですけどね。現在の想定ではそこは大丈夫ということになっているらしくて、そこに津波がきて消防車がぷかぷかというような危機感は言葉からは感じられませんでした。でもそういう想定外が起こったのがつい3年前ですけど。

と 避難所向きに個人で用意できて役立ちそうなもの、まずはレスキューシート。次は電気かなあ。

た 石巻でも夜が怖いという人に手回しライトとかものすごい喜ばれました。

と 避難所にものを持っていく時ね、あれ全員に同じものがないとものすごい雰囲気が悪くなる。あと一部の人にしか手渡らないのもできるだけ避けたい。もちろんはなからお年寄りと子どもたち優先で、とかもあるんやけど。

と あとは食料やね。やっぱり。東北だからあれだけおだやかやったんちゃう。大阪やったら食料の奪いあいで暴動になるんちゃうかて思う。東北の人だからあれですんだ。


た 大阪市NPOとかで事前に登録しておくと、役所から支援物資を配れる権利?ができるんですって。

※筆者注 トッピーさんは翌々日登録に行かれました

と 行政としてやるときには、団体がいりますよね。個人では動きが取れない。

つ 和歌山だったら、にんにこさんに頼もう。おざやんとこね。

と 吹田でね、災害関係のボランティア団体って調べたら一つもなかった(笑)。河原の清掃奉仕団体とかはあるんですが

た カセットコンロいるよねー。

と 大阪人はタコ焼き器よりも一家に一台カセットコンロ。

と 発電機が一台あっても、灯りだけならいいですが、携帯の充電とかなると、100人以上の避難所やったらコンセントの奪い合いになったりします。

つ そうなんですか。発電機はなんとか早めに大きいのを用意しようと思ってたんですが。デリケートなところありますね。たしかに湊中学校でも3月29日ぐらいかな。中で発電機回してコンセントが4っつか5つぐらい。奪い合いではないですが、携帯囲んでじーっと待っている。席をはずしている間になくなったら困るからでしょうね。

な 牡鹿ではコンセントは無理だろうからってバッテリー持っていきましたけど、やっぱり乾電池。

と 今のデジタルカメラも、被災地で充電できないことも考えて電池式。

と めぐみジャパンがラジオとライトと電池を配っていたけど、何がベストかなあ。

つ あ、それ運んだのは俺ですわ。京都のテラルネッサンスさんに鹿児島のみゆきさんが集めたやつを運びました。それを配ったのがタケちゃんたちだったんだ。私が運び込んだ時には、め組の倉庫担当が受け付ける前に「あ、ちょっと炊き出しが始まったんで食べに行きます。待っていて下さい」っていっちゃって、それっきり帰ってこない。寒い中ずーっと待ちぼうけ。しかたがないから、真っ暗な倉庫の中を車のヘッドライトで照らしてど真ん中にとりあえず置いてきた。だから私のめ組の最初の印象はきわめて割り(笑)。でもちゃんとそのあと配ってもらえたと知って嬉しい気分です。

と ○○の水害現場でね、行ったら「ボランティアコーディネーターです、私がしきりますって感じで出てこられたわけです。それで「剣スコ○本、各スコ○本、、じょれんいくつ、テミいくつお願いします」と言ったら「それなんですか?」話が通じない。そうか、この人は平時の「ボランティア」をコーディネートする訓練を受けた人で、「災害」のボランティアをコーディネートする訓練や現場を踏んだわけじゃないんだと気付いたわけ。

ここから込み入った話15分


た とりあえず、自転車で移動しようと思っているんですけどね。

つ ガソリン備蓄してます?一応自宅に20リットル。

と あれもときどき入れ替えせんとあかんのですよ。

つ ほんまですか!あとはバイクがほしいなと、車では移動できなくてもバイクならなんとかなるかなと。二人乗りができるやつ。

つ あと自宅に空気を入れて膨らませるかなり丈夫な材質で作ったカヌーがあるんで、あれも使おうと。和歌山で被災して家族と家が無事で、紀ノ川の橋が津波でやられていたら、とりあえず北部から来た人や物資をカヌーで運ぶ渡し船から始めようかなんて思っています。カヌーで渡ってロープを渡して、あとはいかだを作って川のこっちとむこうでロープを引っ張ってというのはどうかと。

※筆者注 この翌日武ちゃんはゴムボート型カヌーを早速買った


と 今企業関係の某ホテルのオーナーとお話しすることになっているんですけど、いざという時にどういう協力関係ができるかと。話は変わるけれども日赤とかの救急法とかも身につけた方がいい。今はマウスツーマウスはやらなくなっているらしいね。感染症とか。そういうのもあるから、前に習ったのと変わっていたりする。最新はこうなっているという確認のために時々受けなおすのもええんちゃうかと思ってます。

※筆者注 この翌日日本財団の「黒板五郎」こと樋口さんから、Facebook経由で、企業による災害支援の活動に重きを置いた冊子「災害支援の手引き」というのを3月11日に発行しました。ダウンロードできます、と下記のURLを教えてもらいました。

 http://cvnet.jp/projects/nonae/


つ 平時のあいだに、どんどん人のつながりを作って、連絡先を決めておくことですよね。連絡方法と。まずは災害伝言ダイヤルの171にメッセージを30秒入れる。お互いにそれを聞きあうと。あとは何が使えるか調べて対応。まず災害伝言ダイヤルが硬いやろうと。ほんまにどーんと津波が来てしまったら、この道場はボランティア拠点に開放しますんで。そうなると今の備蓄じゃたちまち足りないんですよねー。

と こういう話会い、いいね。二週間か三週間ごとぐらいで続けていこか。