4月6日は浦沢直樹先生記念日になるか!
録画で「達人たち」という番組を見た。佐野元春さんとの対談。互いに聞き手になるという進行だった。
漫画家になりたかったミュージシャンと、ミュージシャンになりたかった漫画家が語り合う。
佐野さん、すいません。佐野さんは別に悪くない。ただその日の番組で圧倒的に迫ってきたのは浦沢直樹先生の一挙手一投足、一言一句、物腰表情からじわじわと迫ってくるものでした。
傾向をあえて分析するなら、佐野元春さんは思いや考えを語り、浦沢先生は(うう、敬称にすでに差がついている)体験や現象や事実を語った。職人が仕事を語ったのである。
筆者はテレビの前に正座した。そして、昭和30年代〜40年代に映画館の最前列でゴジラ映画をぽかんと口を開けて魂を奪われて見ている子どもの顔になっていることを途中自覚した。
そして、それが録画番組であることは再生ボタンを押したので自覚していた。そしてその時、心中にて「なんと素晴らしい番組を作ってくださったのか、いつもならCMは飛ばして見るけれども、それではこの番組を世に送り出したスポンサー様に申し訳が立たない。よし、今後繰り返し見るであろうこの番組の視聴の際には、必ずやCMを飛ばさずに見て、提供企業に心からの感謝の念をささげることとしよう」と決意した。
そういう思いになったのは初めてだった。しかし、いつまでたってもCMは挟まれなかった。NHKだった。受信料を払っている。うん。良かった。
人が見たらどれほど影響を受けられるかはわからない。ただ当道場のUさんは見ておられ、やはり浦沢直樹先生に圧倒的にひきつけられたことを同意されていた。
私にとっては、まさにドンピシャのタイミングだったのかもしれない。ああ、だから俺はダメなんだ、ここを足さなきゃダメなんだ、というようなことが怒涛のように入ってきた。
一言で言えば感動した。感動という字を素直に見れば、感じて動くとある。視聴しながら感じまくった。ここから動きが始まるのかもしれない。動いたかどうかを知るのに、今日こうやって記することにした。
ちなみに視聴したのは6日の土曜日である。5日目の今日まで影響は続いている。なので感のあとの動が続いているのは確かだ。願わくば、4月6日に発芽したものを成木、巨木へとつなげていきたい。わたくしのために語ってくださった(と勝手に思い込めるのだ)浦沢直樹先生の大恩に報いるためにも、この芽を育てていくのである。
その時に感じた「こうやればいいんだ!!!!」には近づいてはいるけれども、まったく遠い。まだまだまったく形になっていない。自覚の上にこの文を記す。あれだ、あれだ、あれを、こうやって埋めて行けばいいんだ。