実行力ってなんだ?

●できる、できないでなく、いい行為の割り合いを増やす


へたれにとって必要なのは、実行力です。そう思っていました。


たとえば、どんなに効率的な受験勉強のやり方を習ったとしても、そもそも机に向かって読んだり書いたりすることがある一定以上の時間できるようでなければ、習った勉強方法もまったく意味がありません。


といっても、人間起きて動いている間は何かをしているわけで、仕事や家事をしないでごろごろしているといっても、寝るという行為だったり、寝ながら漫画や雑誌を読むという行為だったり、テレビを見るという行為だったり、何がしかのことはしている場合がほとんどです。


ということは、実行力をつけるんだ、というふうに決意することよりも、「なんとなくテレビを見ている」というような受動的で漂流しているような行為が、能動的で目標に使づいたり目的を達成したりすることに近づいていくような行為に、質をともなってた分量に置き換わっていけばいいということです。


なんで「分量に置き換わったらいい」というように「分量」をわざわざつけたかと言うと、要するに合目的的な行為と、脱・反・離目的行為の割合を変えるという話だからです。一気に解決して理想の行動で埋め尽くそうなんて思うからすぐに挫折するのであって、適量まで置き換えを続けていくようにするという方が現実的でした。


●計画よりも記録


行動記録を、何かやるたびにつどつどメモしていくという方法は、行動の改善にものすごい効果を発揮します。ところが、実際に今私が実行しているやり方を説明されても、たぶん何でそんな方法で日常生活の行動がどんどん合目的的になっていくかなんて信じられる方法ではありません。


そんな細かいこと、ちまちましたこと、やりたくありませんとなる人がほとんどだと思います。詳しく説明するほど墓穴を掘ると思います。だからとりあえず簡単なことから。


次のお休みの日にでも一度実験してみて下さい。部屋の片づけがいいと思います。それで片付けようと思うところを箇条書きにして、終わるたびに線を引いて消すという一般的な方法を試してください。その上で次に、別の紙を用意して清掃片付けが終ったところの場所や内容を簡単に書きだしていく、という方法と比較してみて下さい。


仕事部屋とか台所とかの大きなくくりにせず、「机上の文房具」「雑誌の中の捨てていいもの」「換気扇の羽」「風呂洗い・浴槽」というぐあいに、具体的な一つの作業としてメモする方法です。


数年前この方法を教わった家内は、午前中にスタートした片付けでしたが、昼前に


「お掃除の神が降りて来た〜!」


と叫んでいました。実話です。