ネイマールはほとんど考えないで身体を動かす


サッカーブラジル代表ネイマール選手に足を動かしてもらった時に脳の働きを一般の人と比べたら10%ぐらいしか脳を使っていなかった、という結果が出たそうである。水泳の選手やサッカーの二部リーグの選手などなどと比べても圧倒的に使っている脳の部分が少ない。


研究された方は「足の動きに関わる脳の活動を最小限に抑え、他の部分を別にプレー処理に当てているのではないか?」との分析だそうだ。


そうかな。結果的にはそうだろうけれども、前提の部分がいささか違うのではないかと思っている。


あ、ちなみに実験内容は詳しくは出ていませんが、サッカーで高度なプレーをしている時の脳ではありません。MRIの中に寝てもらい、足首を回したりといった「MRIの中でできる動作」をしながら脳のどこが働いているかを撮影したということらしい。


分析された方の立ち位置は、足首を回すという動作の際、本来は脳のいろいろな部位を使わないと難しいと読める。さすがネイマールはそれを減らして、脳に余裕を持たせ、その部分でさらに高度なプレーの指揮を脳にさせていると読める。


私は「本来足首を回すという操作程度では、脳のいろんな部分を動かす必要はまったくないにもかかわらず、意識的にそれをやろうとするほど、一般の人はブレーキをかけたりその分不要にアクセル踏んだり、余分なコースにハンドルを切ってしまってまたそれを戻したりとロスだらけの動きをしてしまっていて、その余分の釣り合いを取るために不要に脳を使っている」のではないかと思っている。


似ているようだけれども、前提をどうとるかで、対応はまったく違ったものになる。脳と足の関係を社長と社員の関係に例えればこうなる。


【1】

景気のいい活発な会社にしようと思ったら、社長は社員の行動を見張り、ずっとあれやこれや細かく口出さないとうまくいかないのだけれども、株式会社ネイマールは特別で、社員への指示を必要最小限に抑えることに成功し、その分、社長は対外的な折衝や財界のお付き合いなどを高度にこなし、結果として会社の業績を目覚ましく上げている。


【2】

株式会社「足首」の社員は、その本来与えられた業務を遂行するために十分な能力を備えているにも関わらず、社長が相反する二つの指示を出していたり、すぐに売り上げアップにつながったというデータを欲しがったり、購買層がほとんどいない年代に強引に売り込もうとするなど必要以上に現場に介入しようとしてかえって混乱させていることに社長自体が気づいていない。


方向性や、社員の特性などには十分マッチしているという前提で、私は【2】の方向性を追求したい。