「中断する」という上達法

9月17日の進化体操ブログに「背中合わせ二段階方式について」という解説を書いた。背骨合わせのワーク(稽古)を、いきなりじっくりやるのではなく、ごく短時間やったあと、あえて中断したのち再開する方式の解説である。


http://ameblo.jp/sinkataisou/entry-11926812055.html 
<進化体操ブログより>


なんでただ量をやればいいってもんじゃない、というのは常々思うところ。予行演習や中断や単に数を追わない反復練習などを、技術として上手に使いこなさないと凡人はなかなか上達しない。


練習の「中断の技術」として野口晴哉先生はこんなことを言われている。普通に練習方法のことを考えたらまず出て来ない発想なので、読んだ時にずいぶん虚を突かれた感じがしたのを覚えている。


たとえば書道でずっと毎日稽古をしていて、納得のいく字が書けたら、そこでスパッとやめる。一週間止める。そうすると一週間後には上達した技量が潜在意識にしみこんで、うまくなったレベルが定着している、というのである。


スポーツでも、かならずしも毎日練習しないというような発想も出てきているみたいだけれども、そこには「疲労をため込まない」というような消極的な気配が見え隠れする。


はなから休む、離れることを使いこなしていくという発想の方が、毎日を豊かにしてくれる気がする。休んで気分転換という「あてずっぽう」の世界ではなく、「上達のための必然の中断」という世界である。


そういうものがある、という前提で考えるだけで、脳の使っていなかった部分を使い始める気がする。