やることが多すぎて優先順位がつけられない時どうするか その1

優先順位をつけ、高い方から順に片付けていく。

仕事のやり方などの指南書で定番のように語られる文言である。


説明としてはなんら反論の余地はない。優先度の低いものにだらだらと時間をかけているようでは、大事なことに手がつかない、終らない。だから「仕事に優先順位をつけ、高いものからやっていこう」という考え方自体は否定しない。賛成する。


問題はそれが実際問題できるかどうかということである。そもそも優先度の高い仕事が何かがすらすらと出てくる人は、「すでにそれら優先度の高い仕事に着手しているも同然」の、「仕事ができる人」である。


「できる男の仕事術」なんて本を思わず買って読みたくなる人というのは、「今日も仕事山積み、何をやったのかさっぱりわからないけど常に忙しい。にもかかわらず何かが終った、片付いたという実感がほとんどない毎日」を送っている人である。


優先度の高い仕事が分かる時というのは、比較的シンプルな業務であり、目標が明確で、目的もきちんと把握しており、達成イメージもはっきりしていて、仕上がり品質のレベルもわかっており、複数の動かせない締切なども明示されているような場合である。


しかし、仕事内容が複数のことを並行させるようになり、将来を考えたら今のうちに手を付けた方がいいことや、個人的にやっておきたいことなどもいくつか含まれ、かつそれを一人でやるというような状況になると、優先順位の高い仕事がどれかなんてわからなくなる。


とりあえずやることがいっぱいで、何から手を付けたらいいかわからない時にどうすればいいのか、という問題である。