641話 季節とからだ

整体を学ぶと、特に野口晴哉先生の著作などを読むと、季節による体の変化と、それに対応させた生活上の留意点が説かれています。


冬は乾燥するから、水を上手に積極的にとることで、その時期の体をより快適な状態に導くことができる、というような具合です。


草木は季節でまるっきり様相を変えるものが多いです。桜であれば、つぼみ、花、葉桜、新緑、濃い緑の夏の時期、そして紅葉に枯れ葉に、丸裸といった具合です。


前にも書きましたが、夏には髪がふさふさと生えて、冬にははげてくるというような外見上の変化があからさまであれば、人体の季節変動というものにもっと注意を払われるでしょうが、あまり視点として重視されていないようです。


確かに「冬場のインフルエンザ」とか「これからは花粉症の季節」というような「季節病」には関心が払われていますが、それも「冬にはウイルスがうようよいるのよ」とか「花粉がじゃんじゃん飛んでいる」という外的要因として認識されているのであって、人体の季節変動を問題にしているのではありません。


中学2年生としては小柄な部類に入る長男を筆頭に、子どもたちの身長を柱でしょっちゅう計測しています。柱に傷をつけるのはもったいないので、柱に紙を貼って、線を入れ、はかった日の日付を入れています。


今年順調に伸びてきた長男の身長の伸びがぱったりと止まりました。めきめき伸び始めてからの期間や現在の身長から言って、まだまだ伸びが鈍化する時期ではないと思われるにもかかわらずです。


小学校からもらった資料の中に、6年生のあさちゃんの体格の変動を記録した折れ線グラフがありました。それを見ると、5年生だった昨年と、6年の今年と、身長の伸びの波形が、まったく同じ平行線を描いています。どちらも春から夏にはぐんぐん伸びて、秋から冬には伸びが鈍化しています。


そういう「身体が活発に変化する時期」と「じっと消耗を避ける時期」があるというのは、身長だけに限られた現象だと考える方が不自然でしょう。血行、運動、骨格などなどにも同時に起こっている現象です。

ブログを書いている目の前で「パワフルプロ野球ゲーム」に興じるひろにいの背中が、何か新芽を吹く前の木々のように見えてきた筆者だったのでありました。


そろそろ伸びてきる時期やで〜、安心しいや!