1018話 探偵ナイトスクープは教育番組だ 1
1 今からやろうとすること、始めることを身体(の無意識の『働き』)に伝える。宣言する。
2 無意識にまかせて動く
3 ただし、○○○○しながらである。
○○○○に入るのは「その行為を精緻に観察しながら」であると思う。
コメントを寄せてくれたうなぎさわさんは、そうやっている。自分の手がシャンプーしてくれる様を感心しながらながめている。
そういうことです。
意識的にやると客観的に観察できない。自我意識がしたいようにしかやらない。これだと、意識できる範囲の道具しか使えない。材料しかあつかえない。
「無意識はいい」という表現で書いてきたけれど、無意識の中にも「刷り込まれたパターンがただ出ているだけ」というケースがあるということが意識できた。
「無自覚」という表現が合うかなと思う。
このことに気づいたのは、ABC朝日放送が誇る「探偵ナイトスクープ」の先週の放映であった。
九州・延岡からの依頼である。
延岡では、人に水をかけられたとき、誰もが反射的に
「うぃ!」
と叫ぶのだそうだ。
依頼者は、それを「全国共通語である」と信じていた。
ところが同じ九州の諫早の友人は
「それは あっぴ! よ」
と言い張る。
そこで探偵への依頼となった。カンニング竹山は九州へ飛んだ。依頼者の地元、延岡で街ゆく人に片っ端から水鉄砲で水をかけては、「うぃ!」と言う反射を確かめた竹山は、諫早に向かって九州を北上する。
ここで竹山は考えた。「延岡は『うぃ!』で諫早は『あっぴ』であるという。ならばその境界線はどこなのだ。はたまた他の地方ではどうなのだ」と。
そこで竹山ならびにABCスタッフは、道中下車しながら各地で調査した。
恐るべき事態が発覚した。
熊本で水をかけられた町の人は、「えちゃっ」もしくは「えちゃーっす」「あっちゃ」とやや幅広いながらもほぼ同音同意味の音声を発し、佐賀にはいると、それは「ありっつ」に変化するのである。
そして諫早。依頼者の友人の証言のとおり、『あっぴ』であった。
だれがこのような事実を想像したであろうか。
「うぃ」「あっぴ」「えっちゃ」「ありっつ」
これがすべて
「冷て〜!」
なのである。
水をかけられた市民の一人は「幼稚園のころからみんな言うとったばい」
とのことなのである。そうである。これらの「無意識反射」は「後天的に刷り込まれた」ものなのであった。
筆者が無意識動作には「悪しき刷り込まれ【無自覚】反射」と「創造的・全体的・協調的正解動作」のあることを看破したのは、実にこの時である。