東京オリンピックの悪口はもう言わない。だって安倍さんは稀代の名君

[エネルギー環境・未来]

東京オリンピックの悪口はもうかかない(つもりである)。オリンピック誘致の否定的側面に関して、今後は論じることはしまい、ということである。


何故か。この「己の正当性を声高に主張することによる呪いのメカニズム」に関しては、内田樹老師がかように看破している。


他者に対しての自説の正当性にこだわると、他者の行おうとしている何ものかの失敗、崩壊を無意識下で願うようになってしまう。つまり、呪うのである。そして、東京オリンピック誘致に対して「なんてあほなことをするんや、そんな金があるなら、もっと他にやらないといけないことがあるでしょう」ということを私が思い続けると、「見てみろ、だから言わんこっちゃない」という最悪の事態を願ってしまうのである。


つまり、東京が浮かれて、建築資材や人材が東京に集まり、東北の復興がますます遅れ、被災地で「取り残され感」に絶望的な思いになる人が増えるという極めて好ましくない事態が起こるほど「私の説が正しかった」ということになってしまう。


だから今後は「東京オリンピック万歳!」「安倍首相お見事!」「猪瀬知事大好き」「滝川クリステルさん素敵」という立ち位置に自分を置く。暫定的にでも、はい置いた!




君子豹変!


安倍総理大臣は稀代の名君である。


「福島も汚染水も完全にコントロールできている。これまでも今までも安全である」


よくぞ言った!めったな人には言えない。これが大嘘だなんてことは百も承知で言った勇気ある発言である。東電の社員たちに「とりあえず世界に向かって大丈夫だと言っておいたんだからな、帳尻は死に物狂いお前らであわせろよ」という強烈なプレッシャーをかけたのだ。


オリンピック関連予算というものが莫大にあるのだろう。昨年だったか「復興予算」の名のもとに、東北とは何の関係もない地域の道路を「経済を活性化させて復興につなげる」とか「税務署(か何かそういう役所)の建て替え」とかにじゃんじゃん使っていた。「風が吹けば桶屋が儲かる」的に、どこかに「東北復興」との関連をナノレベルでも匂わせれば使い放題だったではないか。あれの逆を行こうという安倍首相の深遠なる「倍返し作戦」である。


オリンピック選手の友達の友達の友達の会ったこともないフェイスブック友達がやっている復興支援NPOさんへの助成金補助金も堂々と認められるであろう。これで、助成金申請惜敗率の高い石巻のレラさんも安心である。


オリンピック強化選手が召し上がるかもしれない「さんまの加工場」や「水産物冷凍倉庫」もまたたくまに気仙沼あたりに出来上がるであろう。


オリンピックをきっかけに日本に興味を持った海外の人がYOU TUBEで「あまちゃん」を見て、大挙して岩手に押し掛けるかもしれないから、モデルになったリアス線はまたたくまに全線開通するであろう。


冗談はさておき、オリンピックの開催前に次なる福島第一の重大な事故などが起こってしまえば、海外選手団のオリンピックボイコット、オリンピック開催中止なんてことになりかねない。オリンピック史上最大の汚点となる。そうなった場合に安倍首相一人に責任を押し付けることはできない。国を挙げて世界からバカ扱いされるのである。


地震津波、竜巻、台風などが、フクシマの4〜5階建て(だったと思う)の高さにある使用済み燃料が膨大な量貯められている格納プールの建屋を直撃して建屋が崩壊すれば、もうなんの手の施しようもないという。


そこに不安定なフクシマがある限り、そのリスクは消えない。今までは対策は東電に丸投げで手抜きごまかしといった事例が続いていたような印象を受ける。国内はそういうごまかしでもよかったかもしれない(良くないが)。世界中を巻き込むビッグイベントである。ごまかしは効かない。


今回「汚染水漏れ」が問題かのように報じられた。実際には歯槽膿漏で抜けかけの歯のように危うい使用済み燃料プールや、おそらくメルトスルーしているだろう原子炉内もしくは突き抜けた?溶けた核燃料のその後などまったく解決していない。
そのまんまで、どうなっているのかさえ定かでない。


心からオリンピックの成功を願えば願うほと、フクシマの問題解決とは切り離せない。日本中が一丸となって日本選手を応援できる環境にしようとするならば、東北だって切り離せない。


安倍首相は稀代の名君である。この閉塞してしまった震災のその後に、強烈に喝を入れるために、筆者のような若輩ものに嘘つき呼ばわりすることなど百も承知の上で、あえて「フクシマは完全にコントロールされている」と言ったのだ。


「今、オリンピックなんて招致している場合ですか」


という非難なんてものは百も承知の上で、東北復興を加速させるために大嘘をついてまでオリンピックを招致されたのである。


東北の復興、フクシマの終息に年限を切ったのだ。7年後に、すべての仮設住宅から復興住宅への転居が終わり、フクシマの人たちが生活再建の道筋のついた安全な故郷に帰り、漁港には漁船があふれ、何の心配もない近海ものの魚がぞくぞくと陸揚げされる。


東京オリンピックに、首都高速とか名神高速とか新幹線を間に合わせたように(確か、たぶん)、今回のオリンピックは東北の復興と福島の終息と帰還を間に合わせるのである。さすが維新の回転の一翼をになった長州男児の安倍さんである。なんという大胆不敵な奇策であろう。気が付かなかった。ただの嘘つきだと思っていた。反省である。


7年後に日本のどこにも放射線量計が反応する地がなく、東北沿岸部の人たちが自宅のテレビでオリンピックを心から楽しめ、世界中から来た海外の方々が、ことごとく「東北の奇跡の復興」をその目に焼き付けるために、東京経由東北で帰国するという情景が実現した時、私はこの国に生まれたことを心から誇りに思う。


二兎を追おう。二兎がなりたたねば一兎もない。みっともない。



失われた10年」の次に「取り戻した7年」が来るのだ。安倍さんの存念が万一違っていたとしても、私はそちらに向かってやれることをやる。7年しかないぞー。やるぞー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


●「進化体操」ブログはこちら
 http://ameblo.jp/sinkataisou/



●「痛くない整体」ブログ始めました!
 http://ameblo.jp/itakunaiseitai/